皆さんは「PDCA」サイクルという言葉を知っていますか?
会社などでよく耳にするPDCAサイクルですが、意味としては生産技術における品質管理などの継続的改善手法であり、 「Plan(計画)」→ 「Do(実行)」→「 Check(評価)」→「 Act(改善)」の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善するといった意味があります。
そんな「PDCAサイクル」の詳細と、私がPDCAについて感じている事を今回は書きたいと思います。
学生やこれから社会に出る新卒社員の方にとっても、「PDCA」という事は良く耳にする機会も増えるかと思いますので、参考になれば幸いです
目次
PDCAサイクルとは
PDCAサイクルとは、先ほども紹介しましたが、 「Plan(計画)」→ 「Do(実行)」→「 Check(評価)」→「 Act(改善)」の 4段階を繰り返す 事で、継続的に改善を行っていくことです
なので、仕事をしているとよく
「PDCAを回せ!!」
という事を言われる事も少なくありません
最初の頃は何の事なのか分からずにパニックになりますが、それほど難しい事ではないので大丈夫!!(笑)
まずはそれぞれの内容について考えてみましょう
Plan(計画)
PDCAの一番初めは「計画」です
まずは「どういう方法でやって、どういうゴールを目指すか」といった計画を立てる事からスタートです
皆さんも普段の生活では「計画」を立てる事からスタートする事は多いのではないでしょうか
具体的な例として、バーベキューの場面で考えてみましょう
おそらく「どれぐらいの人数が来て、食材はどれぐらい用意しよう?」「椅子やテーブルも必要だ」
といった感じで、色々と事前に計画を立てるのではないかと思います
まずはしっかり「計画」をたてるというのがPDCAのスタートです
Do(実行)
計画が立てられたら、今度は「実行」に移ります
計画だけでは何も始まりませんので、実際に行動に移していきます
引き続きバーベキューの場面で考えてみましょう
この例だと「食材を用意する」「会場設営をする」という事が「Do」に該当してきます
準備した計画を実行に移すタイミングです
Check(評価)
行動したあとは「評価」を行います
実際にやってみたところ、どのような結果になったのかを検証していきます
評価の方法は場面によってそれぞれだと思います
どういう「評価」をするかがポイントとなります
結果をそのまま集計するのはただの「報告」でしかないので、そこからさらに踏み込んで評価をする必要があります
バーベキューで例えるなら、
「肉を焼くのに時間がかかって、みんな待ちくたびれていた」「椅子が足りなくて立って食べている人がいて、途中で怒って帰ってしまった」
といった様に「結果+どうだったか」とう観点で見ていく必要があります
結果に対して「どうだったか」という視点が無いと、例えば「肉を焼くのに時間がかかった」という事だけでは、もしかしたら「じっくり焼いた肉になってみんなが喜んだ」という事が発生している可能性もあります
「どうだったか」という点からプラスマイナスの評価をおこなう事が「 Check」では重要になります
Act(改善)
そして最後は「改善」です
「ここが問題だった」という点について、どうすれば良くなるのかを考える工程になります
先ほどのバーベキューの例でいうと、肉を焼くのに時間がかかったという課題に対して「コンロの火力を強くする」や「みんなが来る前からあらかじめ肉を焼き始める」といった事など、色々と改善案は出てくるかと思います
どうすれば良くなるのかを考える事が「改善」でのポイントとなり、それらをまとめたら再び「計画」へ戻っていきます
先ほどの例であれば、「コンロの火力を強くする」という改善案を基に「計画」をするのであれば、「大きなバーベキューコンロを買ってくる」や「炭を大量に用意しておく」といった事が次の「計画」となってきます
こうしてPDCAをぐるぐる回していく事が「PDCAサイクル」を回すという事になります
なので先ほどの「PDCAを回せ!!」という事は、
「考えて、やってみて、それでダメな部分を見直してもう一回やってみろ」
という表現が意味としては近いのかと思います
PDCAが上手く回らない理由
実際の現場では「PDCAサイクル」が上手く回っていない場面もよくあります
「生産技術(ものづくり)」という場面を想定しているため、他の状況においては上手くマッチしないという事もあるかもしれませんが、日本人という観点から見ると
「Plan(計画)」に時間をかけすぎて、計画倒れに終わる
という事はよくあると思います
いや、ほとんどこんな感じで終わる事ばかりです(笑)
その理由としては、「初めから完璧にやろうとしすぎる」という事があると思います
「失敗は成功のもと」という事を普段言っておきながら、いざやろうとすると「絶対に失敗したくない」と考える人は非常に多いです
そのため「計画」を念入りにやりすぎて、実行する前に疲れ切ってしまったり、時代が進んで必要無くなってしまったりします
では、どうすれば計画倒れにならないのかについて考えてみましょう
PDCAではない別の考えを
最近は色々な方がPDCAをさらに進化させた考えを提案しているのを見かけます
そんな中でいくつか紹介していきます
4倍速「PDCA」
通常のPDCAよりも「4倍速」でやっていくという考えを、以前本で読みました
1年ぐらいの期間で計画していたものを3カ月でやっていくようなイメージです
これの良いところは「4倍速」といわれると、のんびり「計画」をしていられなくなるという事です
「そんなに急いでやったら質が落ちるのでは」という意見も出そうですが、実際にやってみるとそういった問題はそれほどないようです
それだけ「計画」に無駄な時間を使ってしまっているという事でしょうか
「4倍速」したところ、結果が「4分の1」になってしまったのであれば効果が無かった事になりますが、実際はしっかり結果も出るという事から、「スピード」という意識を持たせてPDCAを回すというのは効果が大きそうですね
「OODA(ウーダ)ループ」
最近はPDCAの考えが古いという事で、生産以外の現場でも活用が期待される 「OODA(ウーダ)ループ」というのも注目されています
これはアメリカ空軍のジョン・リチャード・ボイドが提唱した理論で、「Observation(観察)」、「Orientation(方向性の決定)」、「Desision/Hypothesis(決断)」、「A:Action(行動)」という観点から考えられたものです
状況を見て方向性を決定しておき、行けそうだと判断したら行動に移すといった内容でしょうか
臨機応変な対応が出来るという事から、工場といった仕事以外のところで上手く活用が出来そうですね
PDCAの順番を組み替えたパターン
他にもPDCAの順番を組み替えたパターンなどが、色々な人から提唱されていたりします
PDCAそれぞれ単体においては、非常に重要な内容を含んでいるので、状況に応じて必要なポイントの順番を変えるという発想は納得できる事が多いです
どれも共通している事は、「計画」に時間がかかりすぎて計画倒れになる事を避けたいという意図が多いと感じます
自分の中でしっくりくる順番があれば、それに合わせてサイクルを回していけば良いと私は思います
トライ&エラーを繰り返す
私が一番オススメするのは、「トライ&エラー」をひたすら繰り返すという事です
あまり難しく考えずにやりながら「エラー」を考えていくという方法が、特に若い人に伝わりやすくて私は良く推奨しています
「トライ&エラー」を繰り返すという事ですが、それらを実行していく上で、「PDCA」の要素は必ず入ってくると思います
同じ失敗を何度も繰り返すのは問題ですが、おそらく色々と工夫しながら「トライ」を続けていると思います
シンプルな発想の「トライ&エラー」は若い人にも伝わりやすので、とてもオススメです
まとめ
今回は社会において頻繁に耳にする「PDCA」について考えてみました
「もっと良くしていこう」という考えはとても素晴らしいものです
ゴールは「改善」がしっかりと行われる事ですので、自分に合ったやり方が見つかるきっかけになれば幸いです