働き方

経理・財務の最高責任者「CFO」ってどんな人?

会社の役職で「CFO」という肩書を聞いた事はありますか?

 

CEO(最高経営責任者)という肩書なら聞いたことがありますが…

最近は、日本国内においても財務・経理の最高責任者である「CFO]という肩書が注目されてきており、企業が成長するために重要な役割とされています。

 

今回は「CFO」という役職について分かりやすく解説し、CFOに求められる内容について解説していきます。

 

「CFO(最高財務責任者)」とは

CFOは「Chief Financial Officer」の略で、日本語に訳すと「最高財務責任者」と呼ばれます。

 

会社のお金(財務)に関する責任を担う立場の人の事になりますが、その役割は経理や財務管理にかかわるものだけではありません。

 

自社の経理・財務データを基に将来どのように会社を展開していくかといった「経営戦略プラン」を考えたり、会社のお金(資金)調達や、キャッシュ・フローと呼ばれる会社のお金の流れをコントロールしたりするのもCFOの仕事です。

会計士のイラスト(男性)

皆さんの会社でいう「経理部長」をイメージされる方も多いと思いますが、CFOはより「経営戦略」という点においても重要な役割をもっており、それらを考えたり実行したりする特徴があります。

 

CFOはお金の管理(財務)を通して会社を守っていくことだけでなく、会社の成長を実現していく存在としても重要であると言われています。

 

なぜ「CFO」の肩書が注目されているのか

「CFO」の肩書が注目されている背景には、今までのお金を集める「資金調達環境」の変化と、企業の経営環境の変化があると考えられています。

 

お金を集めるという「資金調達」において、2011年頃からインターネットビジネスを中心としたベンチャー企業への投資が活発になってきました。

 

創業間もない企業でも数十億円を超える資金調達をするケースも増えてきました。

 

コバ
ソフトバンクグループの中国企業「アリババ」への投資などは有名ですね

 

そうした直接的な資金調達ができる環境が整ってきている事もあり、どう資金調達をしていくかというCFOの重要性が注目されています。

 

また、こうした資金調達の変化などもあり、近年CFO(最高財務責任者)には様々な役割を求めらています。

 

「経理部長」と「CFO」の違い

CFOは一般的に会社の資金調達やそれらをどう活用していくかといった「財務面」と「経理面」の最高責任者であり、CEO(最高経営責任者)に次ぐ執行役のNO.2と言われています。

 

日本でなじみのある一般的な「経理部長」や「管理(総務)部長」というと

◇経理業務

◇決算業務

◇労務

◇総務

といった管理的な仕事をしているイメージかと思います。

 

一方、CFO(最高財務責任者)は、上記の内容に比べて

◆管理会計

◆経営戦略を考える

◆資金調達

◆組織づくり

といった企業価値を高める事を求められています。

リーダーのイラスト(男性)

具体的には、会社のお金がどのように流れているかといったキャッシュ・フローを管理して会社の財務管理を強化したり、そこから経営戦略を考えて経営陣の一員として積極的に経営戦略に参加をしたりします。

 

CFO(最高財務責任者)の仕事とは

CFOの役割を最大限に発揮するために求められることとして

①会社の事業をしっかり理解する

②会社にとって必要なお金をしっかり把握し、資金調達をする

③調達した資金を最大限に活かし、会社の価値を高める

といった事が求められます。

 

それらを達成するために必要なCFOの仕事について解説します。

 

資金調達の仕事

最高財務責任者として、資金調達は非常に重要な役割となります。

 

先ほど紹介した企業間投資の他にも、通常の金融機関からのかりいれなど、様々な資金調達の方法があります。

 

また、日本ではそれほどなじみはまだないですが、M&A(合併や買収)といった点からの投資戦略や、株主や投資家とのコミュニケーションなど様々な役割があります。

 

経営戦略面での仕事

資金調達といっても、どういった目的で資金が必要なのかという事は重要です。

 

CEO(最高経営責任者)の戦略をしっかりと把握し、会社の事業についてしっかり理解することで財務的な視点での経営参加をしていきます。

 

経営に必要な(ヒト・モノ・カネ」をどう配分していくかを考えるのも、CFOの重要な役割です。

 

またそれらの経営戦略や事業契約をステークスホルダー(消費者、従業員、株主など)に説明するといった役割もあります。

 

管理面での仕事

会社を管理する、「管理部長」と呼ばれるような仕事もCFOにとって重要な役割になります。

 

具体的には

◇売上や利益の管理

◇株主総会・取締役会の対応

◇財務体制・法務体制などの構築

◇企業リスクに対する体制の構築

など、企業にとって必要な様々な管理業務も重要な役割となります。

 

これらは日本でもなじみのある「管理部長」や「総務部長」のイメージと近いでしょうか。

 

組織づくりの仕事

こちらも「管理部長」「総務部長」のイメージと近いですが、組織づくりの役割もCFOに求められています。

 

「ヒト・モノ・カネ」と言われるように、企業において「人(ヒト)」はとても重要な部分となります。

 

人を育てるための「研修」や「教育プログラムの作成」、評価制度の構築など、社員がしっかりとパフォーマンスを発揮できる環境づくりが求められます。

 

また、社員が同じ目標に向かって行動できるように「ビジョン」をしっかり浸透させる仕組みづくりも重要です。

 

資金調達の他にも「人材確保」や組織体制づくりといった部分においてもCFOの役割が求められます。

 

CFO(最高財務責任者)に求められるもの

CFOに求められるものは、時代とともに大きく変わっていきます。

 

最近の例でいうと、ITの技術確認によって急激なスピードでインターネットやソフトウエアのサービスが世界中に普及し、人々の生活が大きく変わりました。

 

その中で「GAFA」と呼ばれるGoogle、apple、Facebook、Amazonといった4社が大きく成長をしました。

 

それらの背景には短期的な経営戦略でなく、長期的な未来志向で経営戦略を実行し市場の拡大などを重視しながら大規模な投資を行ってきたことと言われています。

 

そういった長期的な観点で企業価値を高めるという事から、CFOには

◇ユーザーが求めている商品やサービスの価値

◇会社が毎年生み出す売上や利益の価値

◇会社の将来の価値

などを把握し、企業のブランド構築をしていく事が求められていきます。

 

会社の財務状況の把握の他にも、数字をベースに分析を行い自社の商品(サービス)をどのように拡大していくかという「経営思考」が重要となります。

 

CFO(最高財務責任者)まとめ

CFO(最高財務責任者)の仕事や求められるものについて解説しました。

 

日本にはまだあまりなじみのない「CFO」ですが、一般的な「経理部長」「管理部長」の仕事内容に加えて、経営戦略という点で関わってくるというイメージになるかと思います。

 

AIやロボット化が言われている背景で、これまでの守りの経理・財務に加えて「経営戦略」という点で会社の経営に加わるという事は、これからの時代においてとても重要な価値をもってくると思います。

 

責任者ではない一般の経理職の人でも、こうした「経営思考」というものを持って仕事にあたる事はとても重要ですね。

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