眼瞼下垂(がんけんかすい)という発育異常を知っていますか?
私の2番目の子供が生まれつき先天性の「眼瞼下垂」という症状をもっていました。
簡単にいうと目のまぶたを引っ張り上げる筋肉が弱く、上まぶたが垂れ下がった状態になってしまう症状になります。
私はこれまで「眼瞼下垂」という発育異常の事を知りませんでした。
きっとこの記事を読んでくれている人の中には、身近な所で「眼瞼下垂」について調べている人も多いのではないでしょうか。
今回は私の子供の眼瞼下垂の治療についてお伝えしたいと思います。
不安や心配に覆われている方の何か参考になれば幸いです。
目次
生後1週間、先天性の「眼瞼下垂」の診断
2番目の子供が出生してから数日経ったある日、病院で妻と子供を見ながら
ということを話していました。
右目はしっかり開いているのですが、左目の瞼だけ半分ぐらいしか開かなかったんです。
最初は目が少し腫れていて開きにくいのかなぁと思っていたのですが、 一週間ほどして検査をした結果、「左目の眼瞼下垂」という診断が出ました。
眼瞼下垂とは、上まぶたが垂れ下がった状態を言い、先天性と後天性に分けることができます。先天性はまぶたを引っ張り上げる筋肉(眼瞼挙筋)が生まれつき発育異常のものです。後天性のものは、まぶたを引っ張り上げる腱膜に異常がある腱膜性、重症筋無力症など筋肉自体に異常がある筋原性、動眼神経麻痺など筋肉を支配する神経に異常がある神経原性に分けることができます。
引用元:森下眼科医院HPより
通常目を開けるときには、まぶたの裏側にある筋肉がまぶたを目の奥に引っ張る力で目が開いたり閉じたりするのですが、ウチの子は左目はその筋力が弱いという説明を受けました。
なので、目がきちんと開くようにする方法としては、
ポイント
眉毛の筋肉と繋げることにより、その筋力で目を開けたり閉じたりできるようにする
との説明を受けました。
皆さんも眉毛を上に上げようとしてみて下さい。
瞼が開くような感覚を感じませんか?
その力を使って瞼が開くようにするという手術を行う事となりました。
理屈は分かったのですが、それだと左目を開ける時に左の眉毛も上がるんじゃないの?
と思いましたが、先生曰くそういった事はないとの事です。
眉毛を上げる時の筋肉は使うのですが、不自然に眉毛が上がる事はないとの事でした。
手術は1歳の誕生日前にやる事に
手術の予定日は先生と相談をして
一歳の誕生日前
ということで決まりました。
三歳などのタイミングでやる事もあるようですが、まだ物事が分かる前に手術をしようという事になりました。
眼瞼下垂の手術をする病院ですが、調べたところ幸いなことに、同じ県内に眼瞼下垂の手術をやっている先生がいるとの事で、「長野県立こども病院」で手術をする事となりました。
私の住んでるところから、車で一時間半ほどの病院となる場所でした。
県外からも眼瞼下垂の手術を受けに来ている人がたくさんいるという話も聞き、付き添いの家族も数日近くに泊まっているとの事。
私達は比較的近くの病院で手術を受けられるのは大変ありがたい事だと感じました。
手術までのトレーニングを開始
生後三ヶ月ぐらいでその先生の所を受診に行きました。
実際に症状を見てもらい、手術についての説明を受けるとともに、手術までの間のトレーニングを教えていただきました。
その時に聞いた説明で知ったのですが
人間の視力はおよそ3歳ほどの間に決まってくるようです。
生まれたての時は視力がほとんどないのですが徐々に、視力が増えていきます。
視力を上げる方法というのが
光を目の中に取り入れる
ということが大切なようです。
目の中に光が入っていくことで視力が上がっていくため、目が開きにくい状況では光がなかなか入らず視力が上がらないという事が起きてしまいます。
そうならないために行った対処法は
ポイント
日中はテープでまぶたを釣り上げる
ということを、毎日数時間行なっていきました。
確か最初は2時間ぐらいを目標に治療をやっていたと思います。
イメージとしては、清水アキラさんがものまね芸でセロテープを使って顔を変えているような感じです。
(例えがなんともいえずすいません)
ちなみにテープは医療用の専用のものがありますので、セロテープなどではやりません。
そうした医療用テープを付けて、日中太陽の光が目に入るようにいろいろと工夫をしながら手術日まで定期的に検診をしていきました。
また、先生から定期的にスマホでフラッシュを付けて目の写真を撮るように言われました。
目にしっかり光が入っていると、写真を撮った時に目の中に光が映るみたいです
(実際に写真を撮ってみると、まぶたが開ききってなく左目はあまり光らないこともありました)
苦労した事 テープ治療は結構目立つ
テープを貼って目が開くようにするのが最初の頃は難しかったのですが、しばらく続けていくうちにテープを貼ることにも慣れてきます。
また、テープを貼っている状態の子供を見るのも日常の一部となっていました。
ただ、周りの人から見ると、テープを貼っている事が目立つらしく、街中でも
「目はどうしたの?」
なんて声をかけられたりすることもよくありました。
時には小さな子供が
「あの子、目が変だよ」
と言って、近くにいたご両親が「そんなこと言っちゃダメ」と申し訳なさそうにする光景も時々ありました。
私自身は子どもの好奇心で言ってることなので、特にそう言われたことに対して何か不快に思ったりすることもないのですが、
「子供が直感的に見てそういう風に感じるんだなー」
と思ったことを覚えています。
こういった事はよくあるんだろうなと思い、「人と違う」という事の個性の面について、理解できる社会になって行く事は必要なんだと感じました。
きっとわが子でこういった事がなければ、そこまで考えずに過ごしていたかもしれません。
いよいよ眼瞼下垂の手術へ
そして、一歳になるちょっと前の12月、いよいよ入院をして手術することになりました。
手術後は一週間の入院となるため、妻がつきっきりで一緒に入院をします。
病院までは1時間半ほど離れているため、毎日お見舞いに行ってしまうと日常生活が大変になるということで、私と上の子供は実家へ行って過ごしていました。
手術当日は私は休みを取って病院へ行ったのですが、手術前の体温を測ったり、 手術に向かう子供の姿を見たときに、
「本当に変わってあげたい…」
と心から思いました。
子供が元気に過ごしてくれるということが本当に幸せなことなのだと感じた事を今でも覚えています。
この事がなかったら、私はあまり子育てに参加しない父親となっていた可能性もあるなぁと感じます。
一週間一緒に付き添ってくれた妻や、手術に関して色々と協力をしてくれたお互いの両親にも本当に感謝しました。
実際の手術は1時間程度で終わったかと思います。
先生や病院の方へも心から感謝です。
無事手術を終えて退院へ
手術を無事に終えて一週間後の退院の日、家族がみんな揃うということがとても幸せに感じました。
ただ、のんびり幸せに浸っている余裕はなく
術後数ヶ月は目にプラスチックのカップをかぶせる
ということをしなければならなかったんです。
子供が手で手術した目を触ってしまわないように、プラスチックのカバーをしてその周りをテープで固定するという方法です。
これはテープよりもかなり目立つので、より一層
「目はどうしたの?」
ということを聞かれました。
(片目だけカバーなので、本当に目立ちました)
本来であると、手術が終わって一歳になるので保育園に出す時期であったのですが、目のこともあったので妻は職場に相談をして「育児休業を延長」させてもらいました。
(本当に助かりました)
それまでの間日中は目にカバーをして治療に専念し、保育園に行く頃にはカバーが取れているという計画です。
数ヶ月後にカバーが外れて、子供は無事保育園に通い始めました。
それからは日常生活をしながら様子を見ていくようになります。
あれから4年経過して
それから今4年経っていますが、今では視力も問題なく元気に過ごしております。
寝ている時に手術した方の目が「少し半開き」になってるということはありますが、日常生活では眼瞼下垂であることにほとんど気づかないぐらいになっています。
これからもしばらくは定期的な検査を行っていきますが、今のところ順調に経過しています。
子供はやっぱり「元気」が一番だなと思います。
どのご家庭にも、その子その子で色々とあるかと思いますが、個性として一緒に受け入れていくという事は親として大切だと感じます。
今回の記事が同じような方の参考になれば幸いです。
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