税金の電子申告・納税システムである「e-Tax(イータックス)」を知っていますか?
e-Taxとは、国税庁が運営する国税に係る申告・申請・納税に係るオンラインサービスの愛称で、正式名称を国税電子申告・納税システムといいます。
個人の確定申告などでも活用されている方も多いかと思いますが、今回は法人の「e-Tax」について、メリットとその内容を解説します。
業務効率化や生産性向上という中で経理業務を見直す時に、紙ベースで申告をしている場合にはe-Taxはとても効果的です。
私自身も今までは紙で処理をしていましたが、1年前にe-Taxを使ってみて
と思うぐらいに、とてもメリットを感じています。
電子申告という言葉から難しく感じるかもしれませんが、意外とスムーズに導入が出来るので、今回はダイレクト納付という点も含めて解説していきます。
ちなみに、「年末調整の電子化」を実際にやってみた記事もありますので、そちらもご参考下さい。
是非皆さんもメリットの多いe-Taxを活用して、業務効率化を目指しましょう!
目次
e-TAX(イータックス)とはどういうものか?
「e-Tax」という言葉自体を聞いた事があるけど、実際に中身を詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。
「e-Tax」は国の税金に関する申告や納税を、インターネットを使って行える仕組みの事です。
紙の書類で納税や申告を行う事も出来るのですが、その場合だど税務署の窓口へ書類を提出したり、金融機関の窓口に言って納付書で納付を行う必要があります。
こうした「書類作成」や「移動の時間」というものは、とても時間をロスしてしまいます。
そんな中で昨今インターネットの普及に伴い、手続きを簡単に行えるように「e-Tax」というシステムが出来ました。
企業側も簡単で便利なのですが、納税者からのデータを確認する税務署側からもとても効率的に業務を行えることから、「e-Tax」の利用が推奨されています。
e-Taxを使うメリットについて
e-Taxを使うメリットとしては
◆納税のために金融機関に行かなくてもよい。
◆パソコンでの入力のため、書き損じが無い。
◆データを送るので、郵送する必要がない。
◆金融機関の窓口の時間に左右されない。
◆データを活用して、申告用データに活用できる。
といった事があります。
パソコンとインターネットで完結できるため、紙で処理をするより、圧倒的に「時間短縮」ができます。
また、納付書を手書きする場合と比べて、「書き損じが無い」という事も重要なポイントです。
納付書の数字記入を1文字間違えただけで最初から作り直すのはとても面倒な作業です。
会計ソフトによってはデータを吐き出してe-Taxに取り込むことも出来るようなので、そういったヒューマンエラーを減らすという事は非常に大事です。
e-Taxのデメリットとして「インターネットを使用することによるセキュリティ」などを考える方もいるかもしれませんが、紙の納付書と現金(小切手)などを持って金融機関の窓口へ行くリスクの方が違う面で危ないという事も考えられます。
色々な考え方もあるかと思いますが、メリットの方が多いのが「e-Tax」の特徴だと思います。
e-Taxは簡単に導入できる
e-Taxの導入は難しそうというイメージを持っている方も多いと思います。
私自身も「専用のソフトやカードリーダー」などが必要なのではと思っていました。
しかし、実際の「e-Tax」はまったく難しくなく、無料の専用ソフトも国税庁から用意されています。
実際「e-Tax」を導入するために、下記の内容が必要となります。
◆インターネット環境の整備
◆電子証明書の取得(源泉所得税の納付だけの場合は不要)
◆開始届の提出
e-Taxの開始届については、会社に顧問の会計事務所がある場合はそちらへ確認をしてみましょう。
なぜなら会計事務所のほとんどはe-TAXでの申告を代理で行っている場合が多く、既に会社のID(利用者番号)を取得している可能性が高いです。
会計事務所に「e-TAX」を利用したい旨を伝えてIDを教えてもらい、同じIDを共有しながら利用するようになります。
特に顧問の会計事務所がいない場合には、新規で自社のe-Taxの利用申請を行いましょう。
実際のe-Taxの使い方
e-Taxの使い方については、東京国税局が作成しているマニュアルがオススメです。
「e-Taxソフト(WEB版)」については、今まで紙で作成していたものがブラウザでのインターネット上での入力に変わったイメージです。
今まで紙で作成していた経験があれば、それほど難しくなく導入できるはずです。
WEB版では、「源泉所得税の納付」に関しては電子証明書の取得は不要となっています。
電子証明書とは信頼できる第三者(認証局)が間違いなく本人であることを電子的に証明するもので、書面取引における印鑑証明書に代わるものといえます。
電子証明書は法務局等で手続きを行い取得をするのですが、源泉所得税の納付のみであれば不要のため、まずはこちらの処理からやってみるのもいいでしょう。
慣れてきたところで電子証明書の取得を検討し、もしe-Taxの運用が難しいという事であれば、今までの紙ベースに戻すという手段もあります。
ただ、e-Taxはとても利便性が高いので、是非使い方に慣れて電子証明書を取得し、「法定支払調書」の作成もe-Taxで行えると理想的です。
まずは少しずつ「e-Tax」に慣れていきましょう。
「e-Tax」はダイレクト納付が便利
e-Taxにおける納付申請から口座振替を行う「ダイレクト納付」という物があります。
指定した日になると登録した金融機関の口座から納付が可能となり、効率化という点からとても効果が高い内容となっています。
ダイレクト納付のメリットとしては、
◆電子申告書後にすぐに納付が可能
◆インターネットバンキングの契約がなくても電子納税ができる
◆事前に納付日を予約することも可能
といった点があります。
e-Tax上で納税処理ができるので、インターネットバンキングへログインする必要もなくセキュリティ面でも安心です。
また、「予納」という形で前倒しで事前に納付しておくことが出来る制度が2019年1月より始まっています。
法人税や消費税など、2つの税目まで登録が可能となっていますので、資金の使途を明確にするという目的で活用するパターンもあります。
「ダイレクト納付」を行うためには税務書へ手続きが必要となりますので、顧問の会計事務所にも一度相談をしておきましょう。
e-Taxによる電子納税まとめ
e-Taxによる電子納税について紹介しました。
e-Taxについては顧問の会計事務所にIDと暗証番号を確認すればすぐに始められることが多いです。
と思われる方もいるかと思いますが、これだけインターネットが普及してきている状況なので「電子化」という事は生産性向上においてとても重要になります。
確認しながらやればそれほど難しくないので、一度検討してみる価値はとても高いです。
また、地方税の電子納税の「el-Tax(エルタックス)」という物もあります。
こちらはまた別の仕組みになるのですが、同じく電子納税という点では効率化にとても大きな効果があります。
電子化を活用して、より効率よく生産性の高い仕組みを作っていきましょう。
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